高くなってしまう要因」カテゴリーアーカイブ

血圧があがってしまう理由、原因などを紹介しています。血圧が上昇することを抑制するための情報です。

塩分の過剰摂取は体内のナトリウム量増大→高血圧

日本人の多くはは食塩をとりすぎています。食生活の変化とともに食塩の摂取量は減少してきたものの、欧米の人々に比べると、まだまだ多いと言えます。特に、男性は女性よりも多く食塩をとる傾向があるので要注意です。

ナトリウムには血圧を上げる作用がある

食塩のとりすぎが血圧に悪影響があることは知られています。食塩をとりすぎると、塩の主成分であるナトリウムが細胞内にたまり、ひとつひとつの細胞が腫れて血管の壁が厚くなります。
血管の壁は10% 厚くなると血圧1.5倍に上昇してしまいます。
また体内にナトリウムが増えすぎると、腎臓からナトリウムを排泄するのが追いつかなくなります。そのため、血液中のナトリウム濃度が高くなるので、濃度を一定に保とうとして水分が増え、その結果、体内を循環する血液量も増えます。循環血液量が増えれば、それだけ心臓は血液を流すために強い力が必要になります。
したがって血管壁に加わる圧力が増して血圧が高くなり、さらには、増えすぎたナトリウムによって血管が交感神経に刺激されて収縮し、血圧が上昇することになるのです。

加齢により塩分摂取量が増加傾向になる

厚生労働省が国民の健康づくりのために推進している「健康日本21」では、推奨されている食塩の摂取量は1日10g未満です。しかし、平成15年の国民栄養調査では、日本人の1日当たりの平均は11.2gと、ほとんどの人が塩分をとりすぎています。
欧米では6~7gと言われていますので、日本人はかおよそ倍摂取してしまっていることになります。
しかも男性12.0g、女性10.5gと、男性の方が女性よりも多く食塩を摂取しています。特に40歳代12.7g、50歳代13.4g、60歳代13.5gと、40歳から60歳代になるにつれ、塩分の摂取量も多くなっています。食塩のとりすぎは、高血圧の最も大きな原因の1つなので食習慣に注意しなければなりません。

食塩感受性がある人は血圧が上がりやすい

それほど食塩をとりすぎていないのに血圧が高くなる人もいれば、食塩を多くとっても血圧が上がらない人もいます。塩分の影響を受けやすいことを「食塩感受性」と言い、ナトリウムを体内にためやすく高血圧になりやすいという特徴があります。

食塩を摂取しない地域では高血圧にならない

世界32カ国を調査した研究では、食塩を多くとっている人ほど、血圧が高いという結果があります。また別の調査では、アフリカや南米などの塩を全く食べない地域では、高血圧の人はほとんどいないこともわかっています。

血圧が上昇するほど命の危険度が上昇

別の病気が原因でない場合、血圧を高くしてしまう原因のほとんどは生活習慣によるものです。高血圧になると心血管病が起こりやすくなります。命の危険度は危険因子の数などによって異なります

生活習慣が大きく影響して高血圧になり心血管病を招く

高血圧の9割以上を占める本能性高血圧が起こる原因には、生活習慣が大きな影響を与えています。その主なものには

  • 塩分の過剰摂取
  • 肥満
  • 運動不足
  • 多量飲酒

などがあります。そして、多くの人の場合、1つの要因だけでなく、危険因子をいくつも併せ持っています。
高血圧が怖いのは、気付かないうちに脳卒中や心筋梗塞などの「心血管病を起こして、命にかかわることがあるからです。心血管病は高血圧だけで起こるものではありませんが、血圧が高くなればなるほど起こる危険性も高くなります。

心血管病に対する高血圧の危険度は異なる

心血管病を起こす危険因子には、高血庄以外にも、主に生活習慣が原因で起こる糖尿病、高脂血症があります。
また、喫煙の習慣があったり、若いときに心血管病を発症した家族がいる場合なども危険因子になります。
高血圧は単に血圧の値から軽症、中等症、重症と分けるだけでなく、これらの危険因子をどれだけ持っているかによって、心血管病に対する危険度が異なります。
たとえ軽症であっても、危険因子が多ければ、重症と同じ高リスクになることもあるのです。また、その危険度によって治療内容も変わってきます。

心血管病の危険因子

  • 高血圧
  • 喫煙
  • 糖尿病
  • 高コレステロール血症
  • 高齢
  • 若年発症の血管障害

糖尿病、高脂血症も生活習慣病が大きく影響する

飲み過ぎ、喫煙など、高血圧とほとんど同じです。そのため、3つの病気を同時に併せ持つ人も少なくありません。合併症が増えるほど動脈硬化が促進され、心血管病のリスクも高まります。

加齢とともに動脈硬化が進行するため収縮期血圧が高くなる

65歳以上で病院を受診する人の病気の策1位が高血圧です。高齢になると動脈硬化が進み、心臓は高い圧力で血海を流そうとするために収縮期血圧が高くなります。モのため、脳梗塞や心筋梗塞を起こす危険性が高まります。

高齢になると血圧の差が大きくなる

年をとると誰でも動脈硬化が進みます。太い動脈の動脈硬化が起こり、血管が硬くなるために心拍出によって生じた血圧の上昇を和らげることができなくなります。
そのため、特に収縮期血圧が高くなります。逆に拡張期血圧は低くなる傾向があるので、上の血圧と下の血圧の差が大きくなります。高齢者の高血圧患者の多くは、収縮期血圧が160mHg以上あり、拡張期血圧は90mHg未満です。また、高齢になると血圧の変動が大きくなるという特徴もあります。もともと血圧は1日のうちで変動しますが、加齢によって血圧を調節している自律神経などの仕組みがうまく働かなくなったり、血管の弾力性がなくなってくるので、1日のなかでも血圧の変動が大きくなるのです。
さらに高齢者では、起立性低血圧が起こりやすかったり、白衣性高血圧が増えるなどの特徴があります。

誰でも高血圧になるわけではない

高齢になると高血圧の人が増えますが、誰でも高血圧になるわけではありません。
65歳以上でも35%の人は、高血圧にはならないのです。また、高齢者の血圧は個人差も大きいのが特徴です。
高血圧は必ずしも「老化現象」と言い切ることはできません。高血圧を招く生活習慣は、若いころから始まっています。高齢になると血圧は若いころに比べて高くなりがちなので、なおさら危険因子は減らさなければいけません。年をとっても生活習慣を改善して血圧の上昇を防ぐことは、高血圧に伴う脳梗塞や心筋梗塞を予防するためにも大切です。

家庭用血圧計で測定するときは3分間立った後で

高齢者は起立性低血圧(寝た状態や座った状態から立ち上がったとき、収縮期血圧が20mmHg 以上下がる病気) を起こすことが多いため、座位で血圧を測った後に3分間くらい立った状態を保ってからもう一度、立位の血圧を測るようにします。

高齢者でも血圧を下げることが大切

動脈硬化が進んだ高齢者では、あまり血圧を下げてしまうと血液の循環が悪くなり、かえって脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなるというリスクが強調されていました。
そのため、以前は「高齢者の血圧はある程度高くてもよい」とも言われていました。しかし、高齢者でもきちんと治療を行った方が、合併症のリスクを減らせることがわかっています。

女性の場合更年期以降に血圧が急上昇

女性は閉経前後から高血圧になる人が急増します。50歳代になると、それまでの男女差は次第に少なくなり、65歳以上になると、ほとんど差はなくなります。更年期は、女性の高血圧発症年齢である自覚し、血圧を上げないような生活習慣、食習慣が重要です。

女性ホルモンの働きが低下することにより血圧が上昇

更年期前の女性は、男性よりもはるかに高血圧の人が少ないのですが、更年期を迎えると急激に高血圧になる人が増えてきます。
これは、加齢によって卵巣の機能が衰え、女性ホルモンの分泌が減るにつれ、高血圧から体を守る機能が衰えてしまうからです。
また、このホルモンバランスの乱れは自律神経にも影響し、不定愁訴の1つとして血圧の上昇にも影響します。
しかし、それだけではありません。誰でも年齢が上がるにつれ、動脈硬化が起こりやすくなります。また、閉経後の女性は肥満になりやすく、50歳以上の女性の4 人に1 人は肥満であると言われています。それは、加齢とともに基礎代謝量が少なくなっているのに、若いころと同じように食べ、しかも運動量が減っているのでは、摂取エネルギーが過剰となってしまうからです。

さらには、更年期は子どもの独立や親の介護など、精神的な問題を抱えやすい時期で、そのストレスがきっかけになって血圧が上がるのです。

65歳を過ぎると男女差はほとんどなくなる

女性は50歳を過ぎた頃から男性の血圧値に徐々に近づき、65歳をすぎるころになると男女差はほとんどなくなります。
そして、65歳以上の人では、男女の差はなくなり、男女ともに約60% の人が高血圧になっています。女性も更年期をすぎるころから、血圧には十分な注意が必要です。そのためには「食べすぎないこと」「塩分をとりすぎないこと」「エネルギー代謝を高めるための適度な運動」をすることなどの生活習慣、食習慣を意識するようにします。

妊娠中の高血圧にも注意

正常な妊娠では血圧は低下するのが普通です。しかし、もともと血圧が高い人は、妊娠によって体重が増えることでさらに血圧が高くなることがあります。また、妊娠中毒症を起こして高血圧になることもあります。

経口避妊 薬(ピル)やホ ル モ ン補充療法も同様

経口避妊 薬(ピル)を服 用 した り、ホルモン補充療法を行うと、副作用 と して高血圧になることもあります。使用している人は定期的に血圧のチェックが必要です。

女性より男性のほうが高血圧になりやすい

更年期前までの女性は、男性よりもはるかに高血圧になる人が少ないのですが、これは、女性ホルモンに血圧を下げる作用があるためです。男性の場合は、特に生活習慣に注意が必要です。

30~40歳代では女藩高血圧は男性の3分の1

2000年の厚生労働省「第5次循環器疾患基礎調査」によれば、日本で30歳以上の高血圧患者は、男性が約51.7% 、女性が39.7%と、男性の方が女性よりもはるかに高血圧になる人の割合が高いという特徴があります。特に30歳代では、男性は女性の約3倍、40歳代でも約2倍にのぼります。女性の方が男性よりも高血圧になりにくいのには、女性ホルモンが大きく関係しています。
女性ホルモンのエストロゲンには、血管の収縮を抑え、血管の老化を防ぐ作用があります。
また、体内に水分やナトリウムが増えると、血管にかかる圧力が高くなったり、血管を収縮させる原因となるのですが、プロゲステロンには水やナトリウムの排泄を促す作用があります。このように、更年期までの女性は、女性ホルモンの分泌によって高血圧の発症リスクが少ないのです。

男性の方が高血圧になりやすい生活習慣がある

女性よりも男性に高血圧患者が圧倒的に多い理由は、女性ホルモンの影響によるものだけではありません。高エネルギー・塩分の多い食事、運動不足による肥満、仕事のストレス、喫煙、飲酒といった生活習慣を持つ人は、女性よりも男性に多く見られます。お酒を飲む機会も女性の社会進出が増えていますが、男性の方がお酒を飲む機会が多いのも影響しているでしょう。
仕事で外食が多く、忙しくて運動する暇がない。おまけにストレスに悩まされているといった生活に思い当たる男性も少なくないでしょう。
10年前と比べても、30~49歳の男性で高血圧の人の割合は増加傾向にあります。男性は女性よりもなおさら生活習慣に注意する必要があるのです。しかし、女性でも閉経後は女性ホルモンの減少に従って高血圧が増えてきますので、やはりある年齢からは、注意が必要です。

女性ホルモンには2種類ある

1つは月経を成立させたり女性らしさをつかさどる卵胞ホルモンで、そのなかの1 つがエストロゲンです。
もう1 つは妊娠の維持を最も大切な役目とする黄体ホルモンです。プロゲステロンはこの黄体ホルモンに当たります。