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血圧が高い状態が続くと血管の負担によって動脈硬化を促進させる

動脈硬化は誰でも10~20歳をすぎるころから始まります。加齢により避けることはできません。通常は年齢を重ねるにつれゆっくり進行しますが、高血圧があると血管の老化が急速に進みます。動脈硬化は大きく3つのタイプに分かれますが、モのいずれにも高血圧がかかわっています。

血管は硬くもくなりり内腔を狭くする

動脈は血液を体のすみずみにまで運ぶ、いわば血液の輸送路です。血圧が高い状態が続くと、この動脈の血管壁に絶えず強い圧力がかかります。すると、血管壁が弾力性を失い、厚くなったり硬くなったりして、血管の内腔が狭くなります。

これが動脈硬化です。動脈硬化は、誰でも10~20歳代で起こり始め、高齢になるとある程度は進行しています。
しかし、高血圧があると、血管内腔の内皮細胞(血管の内膜で血液に接する部分)も障害されます。すると、そこからコレステロールなどが動脈の内壁に侵入しやすくなつてしまいます。そして、コレステロールに呼び*寄せられたマクロファージや、傷ついた内皮細胞を修復しようと血小板などの血液の成分が集まり、動脈硬化の進行をさらに加速していくのです。

動脈硬化のほとんどがアテローム硬化

動脈硬化にはさまざまなタイプがありますが、大きく分けると次の3タイプに分けられます。

アテローム硬化(粥状硬化)

内皮細胞が障害されると、血小板が集まってきて血栓(血の塊) ができたり、コレステロールなどがたまって内膜にアかゆテロームという粥のような塊ができて、血管内腔が狭くなります。
高齢者に多く、一般に動脈硬化というと、このアテローム硬化を指します。冠けい動脈、脳動脈、頚動脈、腎動脈などによく起こります。

大動脈硬化

血管の狭窄は起こりませんが、血管が硬くもろくなって内圧に耐えられなくなり、大動脈痛が起こりやすくなります。また、血管壁が傷つまいて卦がれる大動脈解離を起こすこともあります。腹部や胸部の大動脈に起こります。

細動脈硬化

脳や腎臓などの臓器の毛細血管につながる細い動脈(細動脈) に起こる動脈硬化です。複数の細動脈に起こると、臓器の働きに障害を及ぼします。

マクロファージについて

もともとは白血球の成分で、貧食細胞とも呼ばれます。異物や老廃物を包みこんで食べてしまうことで、免疫システムで重要な役割を果たしています。

高血圧に注意することで動脈硬化を防ぎ、血管は若く保つことができます。
健康長寿は、動脈硬化を防ぎ、血管を若々しく保つこと

病気の治療薬や市販薬のなかには血圧を上げる作用を持つものがある

薬のなかに副作用により血圧が上がったり、血圧の治療薬の効果をなくしてしまう作用を持つものがあります。高血圧とは別の病気の治療薬を飲んでいる人は、薬剤の影響で血圧が上がっているかどうかを鑑別する必要があります。

市販薬にも血圧を上げる作用のあるものもある

高血圧の人の場合は、ほかの病気を持っていることケースも多く、複数の医療機関を受診して降庄薬(血圧を下げる薬) 以外の薬を服用しているといったことも少なくありません。
薬によっては血圧を上げる作用を持っていたり、降庄薬の効果そのものを効かなくしてしまうものもあります。医療機関で処方される薬だけでなく、市販薬でも血圧を上げる作用を持つものがあります。医療機関でもらう薬だけでなく、風邪薬や胃腸薬など市販薬を服用する場合も、必ず医師や薬剤師に相談するようにしてください。血圧を上げる作用のある薬には、次のようなものがあります。

  • 非ステロイド性抗炎症薬
  • 甘草(グリチルリチン)
  • 糖質コルチコイド
  • シクロスポリン
  • エリスロポエチン

そのほか、ピル(経口避妊薬) にも血圧を上げる作用があります。

非ステロイド性抗炎症薬

非ステロイド性抗炎症薬とは、抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を持つ薬の総称。
風邪薬や頭痛薬、リウマチの薬など、幅広く使われていますが、腎臓の機能が低下して、血圧が5mmHg程度上がることがあるとされています。特に高齢者は、急性腎機能障害を起こしやすいので注意が必要です。
また、高血圧の治療薬の利尿薬やACE阻害薬、β遮断薬と併用すると、血圧を下げる効果が減少するとされています。
降圧剤については以下のサイトに詳しい記載があります。
高血圧の治療に使われる薬について | 薬の効能と副作用(生活習慣病に関連する薬)

甘草(グリチルリチン)

甘草は、肝疾患、消化器疾患の治療薬など、多数の漢方薬に含まれています。大量に長期間服用しなければ高血圧になることはありませんが、血圧が上昇するようであれば薬を中断します。

糖質コルチコイド

ぜんそく、リウマチなどの関節炎の治療薬ですが、少量ならば長期間使用しても問題はあまりありません。ただし、高齢者が多量に服用すると、血圧が上がることがあります。

シクロスポリン

臓器移植や骨髄移植を行った人が、拒絶反応を抑制するために使われる薬です。腎臓移植後には50~60% 、心臓移植後では90% に高血圧が発症したという報告があります。

エリスロポリチン

慢性腎不全の貧血改善に使用しますが、循環血液量が増えて血液粘濃度が高まるため、20~30% の人は急激に血圧が上昇したり、高血圧脳症を起こすことがあるとされます。

寒い冬は血管を収縮させ、血圧を上げる原因となる

血圧は夏よりも冬の方が高くなるのが一般的です。それは、寒いところでは、体温を逃がさないように血管が収縮するためです。心血管病による死亡率が最も高くなるのも冬です。血圧が高い人は、特に急激な温度変化には注意しなければなりません。

暑さ、寒さで血圧は変動する

血圧は1日のうちだけでなく、季節によっても異なります。健康な人でも一般的に、夏は低く冬になると高くなる傾向があります。
気温が低いところでは、体内の熟の放散を防ぐために血管が収縮します。寒いと体が縮こまりますが、低い温度に対しては交感神経が緊張して、肉体的にも精神的にも反応するのです。
また、寒いと発汗も抑えられるので、体内から塩分(ナトリウム)が排泄されにくくなって、それも血圧が上がる原因になります。寒いと誰でも血圧は上がりますが、高血圧の人では、その上がり方の程度が大きくなるので特に注意が必要です。
冬に屋外に出るときには、寒気にさらされないために服装に気を配り、防寒対策をしっかりとってから外出するようにしなければなりません。

夏に涼しい部屋と暑い外を行き来しても血圧は上がる

寒いところに長時間いるだけでなく、冬に暖かいところから急に寒いところに出たときも急激に血圧が上がります。
同じ屋内でも、暖かい部屋から寒いトイレに行ったり、入浴時に寒い脱衣所で服を脱いだりしただけでも血圧に影響を与えます。
外出時の防寒には気を配っても、家の中ではつい油断しがちです。また、冬の寒さだけでなく、夏に暑い戸外から、冷房の効いた部屋へと入るのも要注意です。
その急激な温度差で交感神経と副交感神経がバランスを崩し、血圧は急上昇します。急激な温度変化にさらされると血圧は上昇し、脳卒中や心筋梗塞を起こす危険が大変高まります。実際、心血管病による死亡率も、冬が最も高いという特徴があります。寒いところに長時間身をさらしたり、暖かい部屋から寒い場所へ出るときは、十分な注意が必要です。

海水浴はNG

暑い日にいきなり冷たいシャワーを浴びたり、サウナで汗をかいた後に冷水をかぶると、血圧は一気に上昇します。高血圧の人は絶対にやってはいけません。

過度のストレスは交感神経を刺激して血圧を上昇させる

現代社会は、ストレス社会と言われ、日本人の3人に1人は慢性的な疲労に悩まされているとされています。ストレスを受けると交感神経が刺激されて、さまざまなホルモンの分泌に影響を及ぼし、血圧の上昇の原因になります。

ストレスにより体の反応はさまざま

ストレスは血圧を上げる要因の1つです。怒りや悲しみ、緊張状態やつらい体験などによるストレスを「情動的ストレス」と言い、情動的ストレスを受けると、たとえ血圧が正常値の人でも血圧は上がります。
ストレスは体にさまざまな反応を起こします。交感神経が活発になり、心臓は心拍数を増やし、心臓から送り出される血液畳も増えます。
また、アドレナリンの分泌も促されて血圧が上がります。通常は、ストレスがなくなれば血圧は下がりますが、ストレス状態が持続すれば血圧は上昇したままになつてしまうのです。

働き盛り=ストレス盛り

男女ともに20~50歳代まで、普段の生活でストレスを感じる人は8割を超えています。
特に40歳代では、9割以上の人がストレスを感じています。仕事や家庭で忙しい毎日を送る年代ほど、ストレスを抱えている傾向があります。ストレスを感じているとき、食欲がなくなったり、逆に食べることでストレスを発散する人も少なくないものです。「平成14年国民栄養調査」では、食事量に変化がある人は女性では5割を超え、男性でも3割強の人が変化するとの結果が出ています。なかでも、「体重が減る(やせる)」と答えた人は、男性で10.2% 、女性で12.5% ですが、「体重が増える(太る)」と答えた人は、男性は6.2 % 、女性は15.8% と、女性の方が食べることでストレスを発散する傾向にあるようです。ストレス自体で血圧が上がるのに加えて、いわゆる「ストレス太り」をすれば、ますます血圧に影響を及ぼすことになります。

つらいことだけでなくうれしいこともス トレスになる

ストレスと言うと、一般的には怒りや悲しいことなどが原因になると思われがちです。しかし、鼻進や子どもの結婚などうれしいことであっても、人生上の大きな出来事がストレスとなって血圧を上げることもあるのです。

運動をしない人は血圧が上がりやすい

運動をしている最中には血圧が上がりますが、習慣的な運動をくり返し続けることによって血圧は下がります。逆に運動をする習慣がない人は、その分血圧も高くなりやすいのです。また、運動不足が招く肥満や糖尿病は、血圧を上げる要因になります。

運動を継続することで安定的に血圧を下げることができる

通常、運動をしているときは体温が上がり、体がポカポカと温かくなります。このとき、血液の循環はよくなり血液畳も増して、血圧は上がっています。そして、運動の強さが増すほど、血圧も上昇します。
一方で、適度な運動を習慣的に行うと、アドレナリンなど血管を収縮させて血圧を上げるホルモンが減っていきます。同時に、ドーパミン、プロスタグランジンE2、タウリンなど血圧を下げる働きをするホルモンや血中物質が増えます。
これらのホルモンは、尿の排泄をよくして血液の量を減らすため、血圧が下がるのです。また、血液の流れをよくするなど、運動によって血圧を下げるメカニズムが体内で働くようになります。さらに、ストレスは血圧を上げる要因の1 つですが、運動にはストレス発散の効果も期待できます。
このように、運動には血圧を下げるさまざまな効果があります。
実際、運動をする習慣がない人は、運動習慣のある人よりも血圧が高いことがわかっています。

20~40歳代にはほとんどに運動習慣がない

運動不足は肥満を招きます。また、コレステロールや中性脂肪などを増やして高脂血症を起こしたり、インスリンの働きを低下させて糖尿病にもなりやすくなります。
運動不足は血圧を上げるだけでなく、さまざまな生活習慣病の原因にもなるのです。「平成15年国民健康・栄養調査結果の概要」では運動習慣がある人(1回30分以上の運動を週2日以上実施し、1年以上継続している) は、男性の20~50歳代と、女性の20~40歳代では3割以下にしかすぎません。
運動習慣のある人の割合が最も高いのは男女とも60歳代で、次いで70歳代となっていました。仕事が忙しく運動をする時間がない人は、せめて日常生活上での活動量だけでも増やしたいものです。

からだを動かす機会が圧倒的に減った現代人

1970年代までは、日本の人口全体の約8割が農業などの第一次産業に従事していました。
しかし、高度経済成長とともに産業の構造も変化し、70年代以降では第三次産業への従事者が増えて、それまでとは逆に約8割の人が、体を動かす必要のない仕事に就いています。