適正体重の適正エネルギー

適正体重の適正エネルギー

適正体重の適正エネルギー  についての情報を紹介します。肥満の人のほとんどが食べすぎています。自分はどれぐらい食べたらエネルギー過多にならないのか、活動量に応じたエネルギー量から適正エネルギー摂取量を知り、モの範囲でバランスよく食べるようにして、適正体重を維持しなければなりません。

適正体重の適正エネルギー  食べ過ぎを防ぐためには

適正体重の適正エネルギー

適正体重の適正エネルギー

消費するエネルギーが食事でとる摂取エネルギーを上回れば、肥満になることはありません。逆に消費エネルギーよりも摂取エネルギーが上回れば、その分エネルギーが体に蓄えられてしまいます。

つまり食べすぎが肥満の原因です。1日に必要なエネルギー摂取量は、その人の活動量によって異なります。オフィスワーク中心の人は、歩く時間の多い外回りの営業職の人よりも必要なエネルギーが当然少なくなります。
例えば標準体重60kgの事務職の人は、1日当たりの摂取量は1500~1800kcalぐらいです。そして、同じ標準体重でも外回りの営業職の人は、1860~2100kcalぐらいになります。活動量に応じたそれ以上のエネルギーを摂取すると、肥満につながるというわけです。

1日200kcal減らす

適正エネルギー摂取量を知っても、「食事のたびに計算するのは難しそう」「食事制限は面倒で続けられない」と思う人も多いでしょう。

食べすぎなければ肥満にはなりません。適正エネルギー以上に食べていると思う人は、まず1日200kcal食べる量を減らしましょう。200kcalは、ご飯茶わん約1杯分、まんじゅう1個分です。これぐらいなら無理なく減量ができるでしょう。

また、自分の悪い食習慣を知るためにも、毎日体重測定をして記録をつけることがとても大切です。体重の変動をチェックすれば、体重が増えたとき、その原因を思い起こすことができます。肥満に陥りやすい自分の食行動を知り、その食習慣を改善するようにしましょう。
食習慣の改善というのは意外に大変でしっかりと自覚しながらでないと続きません。

標準体重から摂取エネルギーを計算する

標準体重に、活動量に応じたエネルギー量をかけて算出します。例えば標準体重70kg で活動量が多めの人は70kgX 35kcal=2450kcalとなります。

標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

  • 活動量が少ない…主にデスクワークの職業、主婦など【25~30kcal】
  • 活動量が多い…外回りや立ち仕事【35~40kcal】
  • 活動量がかなり多い…スポーツ選手、力仕事など【45~50kcal】

まず取り組む「200kcal減」の場合の200kcalってどのくらい?

  • ご飯…1杯
  • そば・うどん…1玉
  • まんじゅう…1個
  • せんべい…4枚
  • シュークリーム…1個
  • コーラ…コップ2杯
  • ビール…500CC
  • 日本酒…1合

体重は朝、晩の2回測定する

一般的に体重が最も少ないのは朝食前、最も多いのは夕食後です。しかし夜遅くに食事をしたり、アルコールをとりすぎると朝にあまり体重は下がりません。朝晩2下位体重を測ることで、よくない食習慣が見えてきます。

適正体重に基づく適正エネルギー(1日の摂取カロリー)は、個人の年齢、性別、活動レベルによって異なります。基本的な計算には「基礎代謝量」と「身体活動レベル」を考慮します。

1. 適正体重の計算

適正体重(kg)は、BMI(ボディマス指数)を使って計算できます。BMIの標準値は22とされています。

  • 適正体重の計算式:
    適正体重(kg) = 身長(m) × 身長(m) × 22

2. 基礎代謝量の計算

基礎代謝量は、身体が生きていくために必要な最低限のエネルギー量です。これも個人の性別、年齢、体重に基づいて異なります。以下は一般的な目安です。

  • 男性の基礎代謝量:
    基礎代謝量(kcal/日) = 13.397 × 体重(kg) + 4.799 × 身長(cm) − 5.677 × 年齢 + 88.362
  • 女性の基礎代謝量:
    基礎代謝量(kcal/日) = 9.247 × 体重(kg) + 3.098 × 身長(cm) − 4.330 × 年齢 + 447.593

3. 身体活動レベルに基づくエネルギー量

基礎代謝に身体活動レベルを掛け合わせて、1日に必要な総エネルギー量を算

出します。身体活動レベルは以下のように分類されます:

  1. 低活動(デスクワーク中心): 基礎代謝量 × 1.2
  2. 中程度の活動(立ち仕事や軽い運動): 基礎代謝量 × 1.55
  3. 高活動(肉体労働や激しい運動): 基礎代謝量 × 1.725

例: 適正体重とエネルギー量の計算

  • 身長: 170cm(1.7m)
  • 適正体重: 1.7 × 1.7 × 22 = 63.58kg

次に、この適正体重に基づいて基礎代謝量を計算します。
30歳の男性の場合:

  • 基礎代謝量 = 13.397 × 63.58 + 4.799 × 170 − 5.677 × 30 + 88.362
    = 850.96 + 815.83 − 170.31 + 88.36
    = 1,584.84 kcal

身体活動レベルが中程度(1.55倍)の場合:
1,584.84 × 1.55 = 2,456.50 kcal

つまり、この男性の1日に必要なエネルギー量は約2,457 kcalとなります。

まとめ

適正体重に基づく適正エネルギーは、基礎代謝量と身体活動レベルを掛け合わせて計算できます。個々の生活スタイルや活動レベルに応じてエネルギー摂取量を調整することで、健康的な体重を維持できます。

自分で改善するための知識

BMI値22を目標に

肥満度が高くなれば比例するように血圧は上がります。逆に肥満を解消すれば血圧を下げることができます。肥満の人はBMI 2 の標準体重を目標に減量に取り組むようにします。

30~60歳代の男性の3割が肥満

以前は、日本人の高血圧の原因は、食塩の過剰摂取がほとんどでした。最近では男性を中心に肥満に伴う高血圧の人が増えています。肥満の目安はBMIが25以上の人です。

やせたい人はこちらの生活習慣を実行するといいでしょう。

BMI25以上の人は、30~60歳代の男性では約3割もいて、20年前から比べても、すべての年齢層で肥満者の割合は増えています。女性は40歳までは2割以下ですが、50歳代から増え始め、60歳代では3割以上が肥満です。日本は先進国の中では肥満の少ない国ですが、肥満の人が増加するのに伴い、血圧が高くなる人も増えているのです。

減量するだけで血圧は下がる

肥満の人が体重を減らすと、血圧は約1mmhg下がることがわかっています。肥満がある人は、肥満を解消するだけでも80% の人が血圧を下げることができるとされています。つまり、軽いうちなら薬を使用しなくても、減量するだけで高血圧を改善できるのです。
BMIが25を超えると、高血圧だけではなく糖尿病や高脂血症など、ほかの生活習慣病にかかる割合も高くなります。BMIは22のときの体重が病気にかかる確率が最も低いということが明らかになつており、理想的な体重(標準体重)とされています。BMI が25を超える人は、22を目指して減量が必要です。
減量のためには正しい食生活と適度な運動が欠かせません。肥満の人は食べすぎているだけではなく、肥満を招く食事*内容や食習慣を持っています。悪い食習慣を断ち切り、バランスのとれた食事を適量食べて、積極的に体を動かすようにしましょう。

太る宿習慣

肥満の人に多いのが「間食の食べすぎ」「不規則な食事」「まとめ食い」「早食い」「ながら食い」「ストレス食い」「夜遅い食事」「食後すぐ寝る」などです。食習慣を改善するのは大変ですが早くに取り組んだ方が苦労は少ないでしょう。

生活習慣を見直して原因となっている要因を取り除く

高血圧の90%以上は生活習慣と深くかかわっている本態性高血圧によるものです。血圧を下げるためには、血圧を上昇させている原因となる生活習慣を見直して、1つでも多く改善していかなければなりません。

血圧を上げる生活習慣を変えていく

高血圧の大部分を占める本態性高血圧は、遺伝的な要素と日常生活でのさまざまな習慣が複雑にからみ合って起こります。そのため、血圧を下げるには、まず血圧を上げる要因となっている生活習慣を1つでも多く取り除くことが基本となります。
生活習慣を改善するだけでも、血圧を下げる効果があることがわかっています。軽症の人であれば、薬を使用せずに血圧を下げることができます。
また、その後も適正な血圧を維持することが可能です。降庄薬(血圧を下げる薬)を使用しなければいけない重症の人でも、薬の服用と同時に生活習慣の改善を行わなければ、治療をうまく進めていくことはできません。高血圧の人は、環境的な素因の多くを占める生活習慣の改善を抜きにして、血圧を下げる十分な効果は期待できないのです。そのためには、まず自分の生活習慣の問題点を知る必要があります。

収縮期血圧が2mmhg下がるだけで心臓血管のリスクを減らすことができる

血圧を上げる生活習慣からの要因には塩分の多い食事、エネルギーのとりすぎ、アルコールのとりすぎ、運動不足、喫煙の習慣、ストレスなどが考えられます。高血圧の治療の目的は、血圧を下げることそのものではなく、高血圧が招く動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中を防ぐことです。高血圧の人は、血圧をわずか1~2mmhg低下させるだけでも、心血管病の発症に大きな差が出るとされています。
専門家の間では、収縮期血圧が2mmghg低下すると、脳卒中が起こる人は2万人程度減少し、死亡者は9000人滅ることが期待できるとしています。自分の生活習慣を見直して改善していくことが、心血管病の危険性を少しでも減らすことにつながるのです。

効果をすぐに出そうと思うとストレスになる

日本人はせっかちな人が多く、すぐに効果が出ないと諦めてしまう人も少なくありません。血圧は時間をかけてゆっくり下げていくのが基本です。血圧コントロールは一生のつき合いと思って、気長に生活習慣の改善に努めましょう。

生活習慣の改善は糖尿病、高脂血症の改善にもつながる

高血圧だけでなく糖尿病や高脂血症など、ほかの生活習慣も併せ持つ人は、環境因子を取り除くことでほかの病気も同時に改善させることができます。
たくさんの病気を持っている人でも軽いうちであれば生活習慣の改善だけで病気の治療もそれほど難しくはないのです。

緊急に降圧が必要とされる高血圧緊急症(切迫症)

日常的に高血圧である人が、さらに急な血圧上昇を起こすと、体に重大な障害が起こることがあります。大変危険な状態のため、心臓または血圧の専門病院で治療を受けて血圧を下げなくてはなりません。

急に血圧が上がったらすぐに病院へ

高血圧に急激な血圧の上昇が加わると、脳や心臓、腎臓、大動脈などに重大な障害が起こることがあります。これを「高血圧緊急症」と言います。多くは180/120mmHG以上と、血庄が大変高い数値を示します。すぐに入院して血圧を下げないと、脳梗塞や心筋梗塞、腎機能障害などを引き起こす可能性が高くなります。高血圧緊急症を起こす痛気には、次のようなものがあります。

高血圧脳症

高血圧に急激な血圧の上昇が加わったために、脳の血流を自動調節する機能が障害される状態です。脳の中の圧力が高くなって脳にむくみ(脳浮腫)が起こり、意識障害や頭痛、吐き気、手足のけいれんなどの症状を伴います。
高血圧緊急症の中では最も重症で、適切な治療を施さ高血圧に急激な血圧の上昇が加わったために、脳の血流を自動調節する機能が障害される状態です。
脳の中の圧力が高くなって脳にむくみ(脳浮腫)が起こり、意識障害や頭痛、吐き気、手足のけいれんなどの症状を伴います。高血圧緊急症の中では最も重症で、適切な治療を施さなければ脳出血を起こしたり、死に至ることもあります。

大動脈解離

急激な血圧の上昇で、大動脈の内膜に亀裂が生じて中膜に血液が流れ込み、大動脈の壁が内側と外側に″「解離」して血管壁が裂ける状態です。突然発症することが多く、胸に激しい痛みが起こり、胸から背中、腰へと痛みが広がります。脳梗塞や心筋梗塞を合併することもあり、緊急に治療が必要です。特に心臓のすぐ上の上行大動脈に解離が起こった場合は、出血して死亡する危険が高いため、緊急手術が必要とされます。

高血圧性心不全

高血圧が続くと、心臓は非常に強い力をかけてたくさんの血液を全身に送らなければなりません。そのため、血液を送り出す左心室の機能が低下する「高血圧性左心不全」が起こります。
左心室から全身に十分な血液が送り出せなくなると、肺から心臓に血液が戻りにくくなります。すると、肺の中の血液量が増加して、毛細血管から血液成分が漏れ出して肺水腫を起こすことがあります。肺水腫になると、呼吸が苦しくなったり、頻脈などの症状が現れます。肺水腫が生じた高血圧性左心不全は、すぐに治療が必要です。

高血圧はそのほかの血管障害やさまざまな病気の原因になる

高血圧が原因で起こる血管障害は主に脳、心臓、腎臓に起こりますが、モれ以外にも動脈硬化の影響は全身の血管に及びます。また、ほかの病気を伴うと、お互いがお互いの病気に悪影響を及ぼしてしまい高血圧がさらに悪化します。

糖尿病

高血圧は糖尿病になりやすい

高血圧が直接原因となる病気ではありませんが、高血圧の人は血圧が正常な人
に比べて2~3倍糖尿病になりやすいとされています。また、日本では糖尿病がある人の半分は高血圧とされ、どちらかの病気があると、両方を合併しやすいという特徴があります。
糖尿病とは膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの分泌が悪くなつたり、効き目が悪くなって、血液中のブドウ糖(血糖)が多くなる病気です。
日本人では予備軍も含めると、1400万人近くの人が糖尿病であるとされています。高血圧と糖尿病がなぜ合併しやすいかははわかっていませんが、「インスリン抵抗性」が両方の病気に関係しているのではないかとされています。

インスリンの働き

食事でとったブドウ糖は、膵臓から分泌されるインスリンによつて、筋肉や肝臓などに取り込まれ、エネルギーとして使用されますが、余ったブドウ糖は脂肪として蓄えられます。このインスリンの働きが悪くなる状態を「インスリン抵抗性」と言います。

閉塞性動脈硬化症

足の動脈硬化で歩行困難になるケースも

下肢の動脈硬化が進んで血管の内腔が狭くなったり、詰まる状態を「閉塞性動脈硬化症」と言います。血液の循環が悪くなるために、少し歩いただけでも太ももやふくらはぎが痛くなって歩けなくなる「間欠性政行」が起こります。しばらく休むと歩けますが、また痛くなって歩けなくなることを繰り返します。ひどくなると足の細胞組織が壊死して、足を切断しなくてはならなくなることもあります。

眼底出血

目の動脈硬化

高血圧から目の網膜の毛細血管に動脈硬化が進むと、「高血圧性網膜症」が起こることがあります。
高血圧性網膜症では、自覚症状はほとんどありません。急激に血圧が上がる急性高血圧では、視力が低下することがありますが、本態性高血圧からの網膜症では症状が出る方がまれなので、気づきにくいのです。しかし、放置してそのまま進行すると、眼底出血が起こって視力が低下したり、失明につながることもあります。

大動脈瘤

破裂すると出血から致命的になることも

動脈硬化が進んで血流が悪くなると、心臓はより強い力で血液を送り出そうとして、その強い圧力が血管の弱い部分を膨らませます。
大動脈痛は胸部大動脈や腹部大動脈にできた「こぶ」のような膨らみです。初期には特に症状がなく、またほとんどは痛みがないため、大きくなって「こぶ」が触れるようになって初めてわかる場合がほとんどです。この大動脈痛が被裂すると多量に出血するため、その多くは致命的です。

脳血管性痴呆

多くが高血圧から脳梗塞が多発して起こる

認知症(痴呆)は、原因によってアルツハイマー型と脳血管性痴呆に分けられ、日本人の認知症では、約半数が脳血管性痴呆です。アルツハイマー型痴呆の原因はよくわかっていませんが、神経細胞が消失して脳が全体的に委縮します。
脳血管性痴呆は、脳の血管に生じた動脈硬化が原因で起こります。その多くを占めるのが多発性の脳梗塞です。脳の細い血管に梗塞巣(脳細胞が死滅した部分)が増えていくと、脳全体の活動が低下して痴呆が起こることがあります。
そして、この多発性の脳梗塞を引き起こす最も大きな危険因子が高血圧なのです。