たばこは高血圧の大敵、すぐにやめるべき

タバコは「百害」どころか「百毒」とさえ言われています。吸っている本人だけではなく、周りの人たちにもその「毒」をまき散らすタバコとは、この際きっぱり縁を切りましょう。現在では、効果的な禁煙補助剤もあります。いいわけをしないですぐにやめるのが賢明といえます。すぐに禁煙を目指す方はこちら

喫煙量が増えれば病気のリスクも比例して増える

喫煙が動脈硬化をはじめ、さまざまな病気を引き起こすことはよく知られています。アメリカの有名なフラミンガム疫学研究では、タバコを吸う人は吸わない人に比べて、狭心症や心筋梗塞になる危険性は2~3倍、死亡率は5~10倍も高いというデータがあります。

もう1つ忘れてならないのは、喫煙をするとその害が周りの人へも悪影響を及ぼすことです。タバコを吸う人の周囲にいる人は、たとえ自分がタバコを吸わなくても、受動喫煙によって循環器病やがんになるリスクが高められてしまいます。喫煙は血圧の上昇だけでなく、1本吸っただけでも心拍数を増やします。すでに狭心症などの心臓病がある人は、絶対に禁煙するのが鉄則です。もちろん心臓病がない人も、健康に有害なタバコは今すぐにきつばりやめるべきです。

禁煙補助剤も活用する

禁煙を成功させるためには、「絶対タバコをやめる」という、本人の強いい決意が必要です。しかし、禁煙を確実に成功できるのは至難の技という人も多いでしょう。そのような人が成功率を高めるためには、医療機関や保健所に相談することをお勧めします。

専門家による禁煙指導を受けたり、ニコチンガムやニコチンパッチといった禁煙補助剤を用いると、効率よく禁煙ができます。禁煙補助剤はニコチン切れによるイライラを和らげるよう、多少のニコチンを含んでいます。しかし、タバコに比べて循環器への悪影響は大変少ないものです。すぐにでも禁煙したい、あるいは禁煙したいがどうしても成功しないという人にお勧めです。

専門家のサボートが受けられる禁煙外来も

医療機関で専門家から禁煙のためのサポートが受けられるのが、禁煙外来です。現在では日本各地に禁煙夕悌を併設している医療機関があります0 ただし、曜日や時間が決まっており、予約が必要なところが多いので、受診の前に問い合わせが必要です。

禁煙外来についてはこちらに詳しい専門サイトがあります。

運動の際の注意

運動を行う程度は年齢や高血圧の症状によって異なります。また、高血圧の人には向かない運動もあります。医師に相談をしてから、自分に合った運動をゆっくりとしたペースで始めるようにしましょう。

自分のペースが大事

「有酸素運動はには降圧効果がある」でも紹介していますが、運動には降圧効果がありおすすめです。どれぐらいの強度の運動を行ったらよいかは、その人の年齢や運動能力などによって異なります。一般的な運動の強度は、心拍数を目安にします。
高血圧の人が早歩きをするときに安全なのは、心拍数をあまり上げずにニコニコと話しながら歩けるペース( ニコニコペース) です。このペースなら苦しさを感じずに続けられ、しかも血圧を下げる効果も十分にあります。ニコニコペースは年齢によって異なります。下の囲みの算出方法で計算してみましょう。運動後、15秒ぐらいたった脈拍の強度の割合が40~60% ならちょうどいいペースと言えます。70歳以上の人はそれ以下の強度でも構いません。あまり厳密に考えず、気持ちいいと感じるぐらいのペースで運動をしましょう。

ニコニコペース

ちょっと汗ばむ程度で会話しながら行える運動強度の目安を、計算しましょう。
138-(年齢÷2 )=ニコニコペース

数値は、ニコニコペースで行える運動をしたときの1分間の脈拍数です。50歳の人なら110回程度です。これぐらいの脈拍数が維持できるような強さの程度が目安になります。

運動を行うときは医師と必ず相談してから

運動をするときは、準備運動を十分に行ってから始めます。体調が悪いときは無理をしてはいけません。また、運動の途中でひざや腰などに痛みを感じたときや、息苦しくなったときはすぐに中止します。ひざや腰に痛みがある人は、ひざへの負担が軽い水中ウオーキングがお勧めです。また勝敗を競うテニスやサッカー、バレーボール、バドミントンなどは避けた方がよいでしょう。重症の高血圧の人が運動をすると、血圧がさらに上がって脳卒中や心筋梗塞の危険性が高まります。また、服用している降庄薬によっては、運動が勧められないものもあります。運動を始める前に、どのような運動をどれぐらい行ったらよいかを必ず医師に相談してください。

有酸素運動 降圧効果

有酸素運動 降圧効果 がある 適度な運動を取り入れることの大切さ

有酸素運動 降圧効果 がある 適度な運動を取り入れることの大切さを紹介します。日頃、運動をしている人は、一般的に血圧が低いことがわかっています。軽く汗ばむ程度の有酸素運動が効果的です。特に運動不足の人は、毎日の生活のなかでも積極的に歩いて、運動量を上げることを心掛けましょう。

有酸素運動 降圧 効果で血圧を下げる

有酸素運動は、高血圧の予防と改善に効果的な非薬物療法として広く認識されています。ウォーキングやジョギングといった継続的な有酸素運動は、血管の柔軟性を高め、自律神経のバランスを整えることで、血圧を安定させる効果が期待できます。

10週間ほど運動を続けると血圧はさがる

汗ばむ程度の軽い運動を毎日30分続けると、10週間で半分以上の人は収縮期血比が20mmHg、拡張期血圧は10mmHg低下し、平均でも11/6mmHg低下すると言われています。軽い運動を毎日続けることによって、薬物治療を必要としなくても、血圧を下げることができる人も多いのです。

運動の種類は、短距離をを全速力で走るような激しいものはよくありません。軽く汗ばむ程度の早歩きやジョギング、水中ウオーキングなどの有酸素運動がお勧めです。特にこの運動をしなければいけない、というものはないので、毎日続けて行える運動がいいでしょう。1駅分歩くなどもいいでしょう。

生活の中に歩く時間を増やす

とはいえ、運動が必要とされる多くの人は、運動好きでないことが多く、スポーツとして行う運動は長続きしないことが少なくありません。何もスポーツジムや運動場で行うものだけが運動ではありません。誰でも簡単にできる運動として、*毎日30分以上の早歩きをお勧めします。

「ただ歩くだけでは面白くない」「夜は仕事で遅くなるから歩く時間がない」という人は、まずは毎日通勤時にひと駅手前で降りて歩いたり、エスカレーターを使わずに階段を上り下りして、生活の中に歩くことを多く取り入れるようにしましょう。

休日などに長い距離を歩くときは、景色のよいコースを選んだり、小さなミュージックプレイヤーを持ってイヤホンをつけて歩けば、退屈せずに楽しみながら歩くことができます。1日30分続けて歩くことが無理な場合でも、10分ずつ細切れに歩いてトータルで30分歩くのでも構いません。特別に時間を作らなくても、生活の中で積極的に体を動かすようにしていく工夫が大切なのです。

週1日の集中型では効果は得られない

週末はゴルフやトレッキングなど長時間運動している人は、それだけで十分な運動量を得ていると思いがちです。しかし、週に1 回では血圧を下げる効果としては不十分です。せめて週3 日以上は運動を行うようにしましょう。

1日30分の早歩きはダイエットにも最適

肥満解消のために運動は欠かせません。ゆっくり脂肪を燃焼させる有酸素運動を習慣的に行えば、必ずやせられます。継続することで太りにくい体を作ることもできるのです。

高血圧治療のガイドラインにおいても、有酸素運動は食事療法や薬物療法と並ぶ重要な治療法の一つとされています。

有酸素運動が血圧を下げる仕組み

  • 血管の柔軟性向上: 有酸素運動を継続することで、血管の内皮機能が改善され、血管が広がりやすくなります。これにより、末梢血管の抵抗が減少し、血圧が下がります。
  • 自律神経のバランスを整える: 運動によって、血圧を上げる交感神経の働きが緩和され、血圧が下がります。
  • 体重減少: 肥満は高血圧のリスクを高めますが、有酸素運動は体脂肪を燃焼させる効果があるため、体重減少によっても血圧が下がります。
  • インスリン感受性の改善: 運動によってインスリンの働きが改善され、高血圧を含む生活習慣病全般に良い影響を与えます。
  • 体内の塩分排出促進: 運動によって汗をかき、体内の余分な塩分が排出されやすくなります。

どのくらいの運動が効果的か

  • 種類: ウォーキング、軽いジョギング、水泳、サイクリング、水中ウォーキングなど、全身を使う有酸素運動が推奨されています。
  • 強度: 少し息がはずむ程度(「ややきつい」と感じる程度)の中等度の強さが目安です。息をこらえたり、激しすぎる運動は一時的に血圧を上昇させる可能性があるため、避けるべきです。
  • 時間と頻度: できれば毎日、合計で30分以上行うことが推奨されています。1回あたり10分以上の運動を複数回に分けても効果があるとされています。

注意点

  • 運動を開始する前に、必ず医師に相談し、自身の健康状態に合わせた運動量や内容についてアドバイスをもらいましょう。
  • 特に重度の高血圧の方や、心臓、腎臓などに疾患がある方は注意が必要です。
  • 運動中に気分が悪くなったり、血圧が著しく上昇する場合は、すぐに運動を中止してください。

有酸素運動は、血圧を下げるだけでなく、血糖値や脂質のコントロールを改善するなど、全身の健康に多くの良い効果をもたらします。無理のない範囲で、日々の生活に取り入れることが大切です。

飲み過ぎは高血圧、肥満の原因に

アルコールを毎日飲む習慣を持つ人は、特に40~50歳代の働き盛りの男性に多く見られます。しかし、アルコールの飲みすぎは高血圧になる原因の1つに挙げられています。アルコールは適量を楽しみ、週に2日は飲まない「休肝日」を作るようにします。

適量のアルコールは血圧を下げる

アルコールは適量であれば心臓病を予防するとも言われていますが、飲む量が多くなればなるほど血圧は上昇し、脳卒中を起こす危険性が高くなります。特に脳梗塞よりも脳出血と関連が探く、日本酒換算で1日3合以上飲むと、脳出血やクモ膜下出血を起こしやすくなるとされています。
アルコールだけでなく

  • 坂ののぼりおりが血圧を下げる
  • 腹式呼吸が血圧を安定させ高い血圧を下げる
    • こうした生活習慣はちょっと気をつけていればすぐに実行できるので生活に即、取り入れるようにするといいでしょう。

      アルコールの適量とは、日本酒で換算すると1合までです。習慣的にアルコールを多く飲んでいる人が節酒をすると、一時的に血圧が上昇することがあります。しかし、そのまま適量を守っていると、l~2週間で血圧は下がります。ただし、そこで節酒をやめてまた多量に飲み始めると、血圧は再び上昇します。毎日晩酌でアルコールを多く飲む人は、血圧が安定するまで節酒を心掛けることが大切です。

      飲酒量を減らせなければ休肝日を増やす

      とはいえ毎日、日本酒換算で2合以上飲んでいる人は、お酒が好きで、アルコールの量を減らすこと自体が難しいと考えられます。
      1 日1合までに抑えるのには強い意志が必要です。1合飲んでしまうと、それでは物足りなくて、どうしてももっと飲みたくなってしまうこともあるでしょう。
      そのような人は、まずお酒を全く飲まない休肝日を週に2日作ることから始めましょう。そして、その休肝日を3 日、4日と増やしていき、1週間を通して飲むアルコールの全体量を減らしましょう。家で飲むアルコールを減らすためには、アルコールの買いだめをしない、冷蔵庫に入れておかない、飲みたくなったらお茶を飲むなどの工夫が大切です。

      女性は適量の半分が目安

      日本高血圧学会の治療ガイドラインで示されているアルコール摂取量は、エタノール換算で男性20~30ml/日です。これは日本酒で1合前後ですが、女性の場合は10~20ml/日以下と、日本酒で1 合の半分程度が勧められています。

      お酒は肥満の原因にもなる

      アルコールは日本酒1合で190kcalと大変高エネルギーです。飲みすぎれば体内で余ったエネルギーが中性脂肪に作り変えられるので、ビール腹に代表される内臓脂肪を蓄えることになります。

食塩 カリウム

余分なは 食塩 カリウム で排泄

余分なは 食塩 カリウム で排泄することができます。生野菜や果物に多く含まれるカリウムは、ナトリウムを体外に排泄させて血圧を下げるように働くので、高血圧の人には強い味方となります。加熱するよりも、サラダなどでそのまま食べる方が、吸収率は高くなります。

余分なは 食塩 カリウム で排泄 野菜や果物をたくさん食べる人は血圧が上がらない

余分なは 食塩 カリウム で排泄

余分なは 食塩 カリウム で排泄

ナトリウムは多くとると血圧を上げますが、カリウムは多くとればそれだけ血圧も下がることがわかっています。というのは、野菜や果物に含まれるミネラルの1つのカリウムには、ナトリウムを体外に排出させる働きがあるからです。

また、血管を拡張したり、腎臓から分泌される血圧を下げる酵素を増やすなど、カリウムそのものが血圧を下げる作用を持っています。

そのため、高血圧の人は、食塩を減らすと同時にカリウムを積極的にとることが大切です。カリウムはさまざまな食品に含まれていますが、特に多く含むのが野菜や果物です。

しかし、ここで注意したいのが調理の仕方です。カリウムは水に溶けやすいので、長時間水にさらすと流出してしまいます。サラダにしたり、あく抜きをするときは、水に長くさらさないことが大切です。また、煮物などでは煮汁にも成分が溶け出すので、煮汁ごと食べるメニューの工夫をしましょう。

腎臓が悪い人は医師に相談してから

カリウムは、とりすぎても健康な人であれば尿として排泄されます。腎臓に障害のない人は多めにとっても心配はありません。積極的にとることが大切です。ただし、腎臓の機能が低下している人では、カリウムを排泄できずに高カリウム血症が起こることもあります。

必ず医師に相談するようにしてください。また、降庄薬の中で利尿作用のある薬を服用している人は、体内のナトリウムとともにカリウムも減ってしまいます。そのため、利尿薬を飲んでいる人は、特に多めにカリウムを含む食品を食べるようにしましょう。

カリウムを多く含む代表的な食品(100g中の含有量)

    • ほうれんんそう 690mg
    • 里芋 640mg
    • 枝豆 590mg
    • たけのこ 520mg
    • トマト 210mg
    • りんご 290mg
    • バナナ 360mg

    余分なは 食塩 カリウム で排泄 まとめ

  • 余分な食塩とカリウムの排泄について、以下の情報をお伝えします。

    食塩(ナトリウム)の排泄

    • 役割: 食塩は体内でさまざまな生理機能に重要ですが、過剰摂取は高血圧や心血管疾患のリスクを高めます。
    • 排泄経路: 体内の余分なナトリウムは主に腎臓を通じて尿として排泄されます。腎臓は血液中のナトリウム濃度を調節し、必要な分を保持し、余分な分を排泄します。
    • 食事からの影響: 塩分の多い食事を続けると、腎臓がナトリウムを過剰に保持することがあり、結果として高血圧を引き起こすことがあります。逆に、減塩を心がけることで、体内のナトリウム濃度を下げることが可能です。

    カリウムの排泄

    • 役割: カリウムは細胞の機能や神経伝達、筋肉の収縮などに不可欠なミネラルです。血圧を正常に保つ役割も持っています。
    • 排泄経路: 余分なカリウムは主に腎臓によって尿として排泄されます。腎臓はカリウムのバランスを維持するために、摂取したカリウム量に応じて排泄量を調節します。
    • カリウムの過剰摂取: カリウムの摂取が過剰になると、特に腎臓の機能が低下している人では、血中のカリウム濃度が危険なレベルに達することがあります。この状態は高カリウム血症と呼ばれ、心臓に悪影響を及ぼす可能性があります。

    まとめ

    • 健康な腎臓を持つ人は、食塩やカリウムの摂取量に応じて適切に排泄を行います。しかし、腎機能が低下している場合は、特に注意が必要です。適切な食事管理と定期的な健康チェックが重要です。