日本人は塩ざけ、たらこ、佃煮、漬け物、ラーメンなど、食塩の多い食べ物を好むため、ついつい食塩をとりすぎる傾向にあります。血圧を下げるための食事では、まず食塩を減らすことが基本になります。
血圧が高い場合は、減塩は厳密に行う
健康な人が摂取する望ましい食塩の量は1日10g以下です。しかし、血圧が高めの人が、10gの食塩をとっていては血圧値を下げることはできません。さらに厳しく6~7 gまでに制限する必要があります。それまで慣れ親しんでいた味を急激に変えると、食事の楽しみが減って減塩が長続きしないでしょう。また、高齢者は体内に塩分や水分を保持する能力が落ちているため、血液量が減少して脳梗塞などを起こす危険性もあります。減塩はいきなり多量に減らすよりも、少しずつ薄味に慣れるようにしていくことがポイントです。
食塩の多い食品の食べる回数を減らす
食塩の摂取量を減らすためには、まず食塩の多い食品を食べるのを減らすことです。食塩を多く含む食品を食べると、血圧を上げるだけでなく、ご飯が進んで肥満につながります。
また、お酒好きな人は、酒のさかなにも塩辛いものが多いので、食塩をとりすぎたり飲みすぎを招くことになってしまいます。塩ざけやたらこは1週間に1~2 回、漬け物やみそ汁は1日1回というように、食塩の多い食品を食べる機会を減らすようにします。汁に食塩の多いラーメンやそばなどの汁は、飲まずに残すようにしましょう。
また、加工品には思ったより多くの食塩が含まれています。特にちくわやさつま揚げなどの練り物類は、それほど塩味を感じなくても、かなりの食塩を含んでいます。1日の食塩の摂取量を減らすためには、加工食品の摂取を控えることも必要になります。
薄味にしても食べすぎれば食塩量は同じ
食塩の量を半分にしたみそ汁でも、2杯飲めば普通普通のみそ汁1杯分の食塩をとってしまいます。たくさん食べたいときは、つゆよりも野菜などの具を多くすると、食塩を控えて野菜もたくさん食べることができます。
加工食品の食塩含有量
- 焼きちくわ1本(100g)…2.4g
- あじ干物1尾(80g)…1.4g
- ロースハム薄切り(2枚)…40g
- プロセスチーズ1切れ(15g)…0.4g
濃い味付けは1品だけにする
減塩に慣れるまでは、すべての料理を減塩食にすると味気なく感じて長続きしません。1 品だけはそれまでと同じ昧つけにして、他の食品を薄味にするのもよい方法です。