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高血圧を放置する危険性について紹介します。高血圧はほとんど自覚症状がないことが多いのですが、絶対に放置してはいけません。

放置すると血管障害の原因になる

血圧が高い状態をそのままにしておくと、全身の動脈に影響が及びます。冠動脈や脳動脈の血管が詰まった場合は、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしこれが死につながるケースもあるため注意が必要です。

動脈硬化は命の危険につながる

動脈硬化になり動脈内の通り道が狭くなると、血液が流れにくくなります。さらに血栓(血の塊) ができて血液の流れが完全にふさがれてしまうと、その先に酸素と栄養が供給されなくなり、組織は死んでしまいます。
高血圧はこのような血管への影響を全身の動脈に及ぼします。動脈硬化が心筋に血液を送っている冠動脈に起こると、狭心症や心筋梗塞などの「心血管病」、脳の動脈に起こると、脳梗塞や脳出血などを引き起こします。
平成15年の日本人の死因の第1位はがんですが、心疾患は第2位、脳血管障害は第3位と、高血圧が影響したり原因によって病気で亡くなる人は増加しています。

腎臓や足、目の動脈など動脈化は全身に起こる

動脈硬化の影響は心臓と脳だけではありません。腎臓や下肢、目の網膜などに動脈硬化が起こると、命にかかわることはなくても、体にさまざまな障害をもたらします。動脈硬化は糖尿病、高脂血症、痛風、肥満などによっても引き起こされますが、

最も大きな危険因子は高血圧です。ほかの危険因子も併せ持っていると、それだけ動脈硬化の進行を加速させてしまいます。メタポリックシンドローム のように、日本人にも危険因子を複数持つ人が増えています。血圧が高い人は、血圧を下げるだけでなく、ほかの危険因子を少しでも減らして、動脈硬化に対して注意することも必要です。また、動脈硬化への危険性をしっかり認識することも大切です。

高血圧 合併症

高血圧 合併症 は、自覚症状がないまま進行するリスク

高血圧 合併症 は、自覚症状がないまま進行し、引き起こすことのリスクです。高血圧にこれといった特有の症状といったものはありません。

モのため、血圧が高くても気づかなかったり、放っておいたりする人が多いものが現状です。しかし、それとは相反するように高血圧は静かに進行して、症状が現れたときには既に大きな合併症を引き起こしていることが多いのです。

高血圧の合併症による症状

血圧が高くなっても、何か体にサインが現れるわけはありません。そのため、高血圧であることを知るまでには血圧を測るまで気づかないことがほとどです。また、血圧が上がり始めると頭痛や息切れがすることもありますが、どれも健康な人にも起こるもので、高血圧特有の症状ではありません。「疲れているせいだ」と思っているうちに、進行させてしまうことがあります。

また、せっかく健康診断で軽度のうちに発見できても、自覚症状がないからと放置してしまう人が多くいます。

高血圧は放っておくと動脈硬化を起こし、それが心臓病や脳卒中の引き金となり、遂には命にかかわることもあります。合併症を防ぐには、なるべく早い時期に治療を開始することが必要であるのに、治療が遅れてしまうことが少なくないのです。

以下の症状は、一般的に高血圧と関連があると言われていますが、症状から高血圧を発見することはかなり困難です。また、これらの症状は急に血圧が上がったときなど、高血圧の初期に現れることもありますが、ほとんどの場合は合併症に伴って起こります。
つまり、症状が現れたときは、高血圧はかなり進んでいる可能性があるのです。症状から高血圧を発見するのではなく、定期的に血圧を測定し、症状が起こる前に早期発見が重要です。

年に1回の受診が重要

定期健診では、血圧測定が必ず検査項目に含まれています。年に1回の定期健診は、高血圧に限らず、さまざまな生活習慣病の危険性をチェックする機会でもあります。
特に自覚する症状がなくても、体の中では密かに病気が進行しているかもしれません。「体調がいいから大丈夫」と過信せず、定期健診は必ず受けましょう。

頭痛

後頭部が痛む、あるいは頭が重い感じがするのが特徴で、多くは朝起きたときに起こります。強く痛んだり吐き気を伴うときは、急激に血圧が上がっていることもあるので注意が必要です。一方で、片頭痛(気分の悪さを伴う片側の頭痛) や緊張型頭痛(首や肩のこりを伴う後頭部の頭痛) などの慢性頭痛が原因で血圧が上がることもあります。
頭痛に関してはこちらに詳しく記載があります。

動悸と息切れ

血圧が高い状態が長く続くと、強い力で血液を送り続けたために心臓が肥大して心不全を起こすことがあります。また、高血圧から動脈硬化が進むと、狭心症や心筋梗塞が起きることがありますが、これらの発作の前には胸が締め付けられるような痛みの症状が出ます。
いずれにせよ、動悸や息切れは高血圧が重症になつたサインとも言えます。

肩こり

動脈硬化によって血液の循環が悪くなると、肩こりが起こることがあります。また、中高年に多い五十肩に悩まされて、血圧が上がることもあります。

めまい

脳動脈が動脈硬化を起こすと、脳へ運ばれる血流が不足して、周りがグルグルと回るようなめまいや、頭がフラフラするめまいを感じることがあります。

むくみ

動脈硬化が進んで心臓に負担がかかっしゆて心不全になると、むくみ(浮腫) が起こることがあります。また、腎臓の機能が低下して手足のむくみが出ることがあります。

むくみとは?

通常なら体外へ排泄されてしまう水分が、体の細胞と細胞の間にたまって起こります。心臓や腎臓の疾患では手足や顔にむくみが出ます。すぐ下に骨がある脚の「すね」などを数秒、指で押してみます。指を離した後もしばらく指の跡がへこんで元に戻らないようなら、むくみが起こっていると考えられます。

高血圧は「サイレントキラー(静かなる殺人者)」とも呼ばれるように、自覚症状がないまま進行し、重篤な合併症を引き起こすリスクが高い病気です。

なぜ自覚症状がないまま進行するのかというと、血圧が多少高くても、私たちの体は徐々にその状態に慣れてしまうためです。頭痛やめまい、肩こりなどの症状が出ることがありますが、これらは高血圧とは無関係に起こることも多く、高血圧の症状だと気づかれないことがほとんどです。

自覚症状がないまま進行する合併症

高血圧が続くと、常に高い圧力が血管にかかるため、血管の壁が傷つき、次第に厚く、硬くなっていきます。これが動脈硬化です。動脈硬化は全身のあらゆる血管で進行し、その結果、様々な臓器に障害が引き起こされます。

主な合併症には以下のようなものがあります。

  • 脳の合併症:
    • 脳出血: もろくなった脳の血管が破れて出血し、意識障害や麻痺などを引き起こします。
    • 脳梗塞: 脳の血管が詰まり、脳に血液が行かなくなり、重い後遺症が残ったり、命にかかわったりします。
    • くも膜下出血: 脳動脈瘤が破裂し、命に関わる非常に危険な状態です。
  • 心臓の合併症:
    • 心肥大・心不全: 高い血圧に打ち勝って血液を全身に送り出そうとするため、心臓に負担がかかり、心臓の筋肉が厚くなります(心肥大)。やがて心臓の機能が低下し、全身に必要な血液を送り出せなくなります(心不全)。
    • 狭心症・心筋梗塞: 心臓に血液を送る冠動脈が動脈硬化で狭くなったり、詰まったりすることで、胸の痛みや圧迫感を引き起こします。
  • 腎臓の合併症:
    • 腎硬化症・腎不全: 腎臓の血管も動脈硬化が進行し、血液をろ過する機能が低下します。最終的には人工透析が必要になる場合もあります。
  • その他の合併症:
    • 大動脈瘤: 大動脈の一部がコブのように膨らみ、破裂すると大量出血により命に関わります。
    • 眼底出血: 目の奥にある血管が破れて出血し、視力障害や失明につながることがあります。

これらの合併症は、自覚症状が現れたときにはすでに病状がかなり進行していることがほとんどです。そのため、症状がないからといって安心せず、定期的な血圧測定や健康診断を通じて、自身の血圧を把握し、適切な管理を続けることが非常に重要です。