高血圧にこれといった特有の症状といったものはありません。モのため、血圧が高くても気づかなかったり、放っておいたりする人が多いものが現状です。しかし、それとは相反するように高血圧は静かに進行して、症状が現れたときには既に大きな合併症を引き起こしていることが多いのです。
高血圧の合併症による症状
血圧が高くなっても、何か体にサインが現れるわけはありません。そのため、高血圧であることを知るまでには血圧を測るまで気づかないことがほとどです。また、血圧が上がり始めると頭痛や息切れがすることもありますが、どれも健康な人にも起こるもので、高血圧特有の症状ではありません。「疲れているせいだ」と思っているうちに、進行させてしまうことがあります。
また、せっかく健康診断で軽度のうちに発見できても、自覚症状がないからと放置してしまう人が多くいます。高血圧は放っておくと動脈硬化を起こし、それが心臓病や脳卒中の引き金となり、遂には命にかかわることもあります。合併症を防ぐには、なるべく早い時期に治療を開始することが必要であるのに、治療が遅れてしまうことが少なくないのです。
以下の症状は、一般的に高血圧と関連があると言われていますが、症状から高血圧を発見することはかなり困難です。また、これらの症状は急に血圧が上がったときなど、高血圧の初期に現れることもありますが、ほとんどの場合は合併症に伴って起こります。
つまり、症状が現れたときは、高血圧はかなり進んでいる可能性があるのです。症状から高血圧を発見するのではなく、定期的に血圧を測定し、症状が起こる前に早期発見が重要です。
年に1回の受診が重要
定期健診では、血圧測定が必ず検査項目に含まれています。年に1回の定期健診は、高血圧に限らず、さまざまな生活習慣病の危険性をチェックする機会でもあります。
特に自覚する症状がなくても、体の中では密かに病気が進行しているかもしれません。「体調がいいから大丈夫」と過信せず、定期健診は必ず受けましょう。
頭痛
後頭部が痛む、あるいは頭が重い感じがするのが特徴で、多くは朝起きたときに起こります。強く痛んだり吐き気を伴うときは、急激に血圧が上がっていることもあるので注意が必要です。一方で、片頭痛(気分の悪さを伴う片側の頭痛) や緊張型頭痛(首や肩のこりを伴う後頭部の頭痛) などの慢性頭痛が原因で血圧が上がることもあります。
頭痛に関してはこちらに詳しく記載があります。
動悸と息切れ
血圧が高い状態が長く続くと、強い力で血液を送り続けたために心臓が肥大して心不全を起こすことがあります。また、高血圧から動脈硬化が進むと、狭心症や心筋梗塞が起きることがありますが、これらの発作の前には胸が締め付けられるような痛みの症状が出ます。
いずれにせよ、動悸や息切れは高血圧が重症になつたサインとも言えます。
肩こり
動脈硬化によって血液の循環が悪くなると、肩こりが起こることがあります。また、中高年に多い五十肩に悩まされて、血圧が上がることもあります。
めまい
脳動脈が動脈硬化を起こすと、脳へ運ばれる血流が不足して、周りがグルグルと回るようなめまいや、頭がフラフラするめまいを感じることがあります。
むくみ
動脈硬化が進んで心臓に負担がかかっしゆて心不全になると、むくみ(浮腫) が起こることがあります。また、腎臓の機能が低下して手足のむくみが出ることがあります。
むくみとは?
通常なら体外へ排泄されてしまう水分が、体の細胞と細胞の間にたまって起こります。心臓や腎臓の疾患では手足や顔にむくみが出ます。すぐ下に骨がある脚の「すね」などを数秒、指で押してみます。指を離した後もしばらく指の跡がへこんで元に戻らないようなら、むくみが起こっていると考えられます。