血圧は1日の中だけでなく、季節や気温によっても変わります。家庭用血圧計を用意して、毎日測る習慣をつけるのがおすすめです。上手に使えば高血圧の予防はもちろん、治療にも役立ちます。高血圧で受診している人は1日3回測定して結果を主治医に見てもらうと適切な治療方針が早く決まります。
同じ条件で日にちを変えて測定
血圧は、健康な人でも変動しやすいので、1ヶ月に1度医療機関で測ってもらうだけでは、状態を十分に把握できません。
また、実際には高血圧ではないのに、病院では血圧が高くなってしまう「白衣性高血圧が起こることもあります。
病院で測るときは、同じ条件で日にちを変えで数回測ることが大切です。また、家庭で血圧を測り、血圧の変化をつかむ習慣をつけることが重要視されています。
家庭で簡単に血圧を測定できる機器が増え、日本高血圧学会でも、家庭で測る血圧値を高血圧に重要な指標として位置付けています。
日ごろから家庭で血圧を測定すれば、自分の血圧のレベルや変化を把握でき、血圧のコントロールにも大変役立ちます。また、医療機関で測ると正常血圧なのに、普段の生活では高血圧になる「仮面高血圧」も見つけることができます。
血圧が高い人、やや高めの人は家庭用血圧計は必須です。
家庭用血圧計で朝夕2回測って記録する
家庭用血圧計にはさまざまなタイプのものがありますが、上腕にカフを巻きつけて測定するタイプが、誤差が少なく表示されます。より正確に血圧を調べたい人にはおすすめです。
測定は毎日同じ条件で長期間続けるのが基本です。朝夕2回測り、きちんと記録を残すようにしましょう。
タイプによっては睡眠中の血圧も測れるタイプもあります。血圧は1日何回測っても構いませんが、測定するたびに記録をしておくと、血圧値の変化があったときに医師に提示することで、正しい診断につなげることができます。
血圧測定の際の注意点
- 病院で測定する場合…計測前30分以内はコーヒー・紅茶などカフェインの入った飲み物や、喫煙を控える・少なくとも5分間以上は座って安静にしてから測る
- 家庭で測定する場合…【朝】●起床後1 時間以内●朝食前●降圧薬服用前●排尿後●座って1~2分安静にしてから測る
【夜】●就寝前
●座って1~2分安静にしてから測る
家庭で測る方が病院で測るよりも血圧は低くなる
家庭で測る血圧は医療機関で測定するよりも低めになるのが一般的です。そのため、日本高血圧学会の治療ガイドラインでは、家庭用血圧計での高血圧の診断基準は、医療機関での測定値よりも低く設定されています。
家庭用血圧計による高血圧の基準
- 高血圧:13 5/80mmHg以上
- 降圧治療が必要:135/ 85mmHg以上
- 正常血圧:125/80mHg未満
- 確実な正常血圧:125/75mmHg未満