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代表的な降圧薬の種類と作用、副作用

血圧が上がる原因はさまざまです。モのため、降圧薬は種類によって、さまざまな作用を持っています。降圧薬の主なものには、次のような種類があります。

カルシウム拮抗薬

最も広く使われる血管を広げる薬

特徴

カルシウム括抗薬は、もともとは狭心症や不整脈の薬として使用されていましたが、血圧を下げる効果が高いことから降庄薬としても使用されるようになりました。
血圧を上げる血管の収縮は、血管壁の筋肉細胞内にカルシウムが増えることで起こります。カルシウム括抗薬は、カルシウムが細胞内に入るのを防ぐことで血管を拡張させ、血液の流れをスムーズにして血圧を下げる作用があります。降庄効果が高く、脳や心臓、腎臓などの血液循環も改善されることから、合併症のない高齢者に広く使われています。また、糖尿病、高脂血症のある人などにも使用されており、日本では最も多く使われている降庄薬です。

副作用

降圧薬の中では副作用は少ないのですきが、顔のほてりや頭痛、動惇、むくみ、便秘などが現れることがあります。また、急に服薬をやめるとリバウンド現象が起こりやすくなります。副作用ではありませんが、カルシウム括抗薬の中には、グレープフルーツジュースと一緒に飲むと、効果が増強されるものがあるので注意します。

AⅡ(アンジオテンシンンⅡ)受容体拮抗薬

副作用が少なく穏やかに作用

特徴

もともとの体には血圧を調節するシステムがあります。そのⅠつが血圧を上昇させる「レニン・アンジオテンシン系」と呼ばれるシステムで、ここでは、強力な昇庄作用を持つAⅡ(アンジオテンシンンⅡ)というホルモンが作られます。このAⅡが作用する受容体の働きをブロックして、血圧を下げるのがAⅡ受容体括抗薬です。AⅡ受容体括抗薬は、1998年から使われ始め、日本で使われている降庄薬の中では最も新しいタイプの薬です。
効き目がゆるやかで、心不全や腎障害を合併している人でも使うことができます。また、ACE阻害薬で見られる副作用の空ぜきが出ることがないので、最近ではACE阻害薬から切り替えるケースもよくあります。AⅡ受容体括抗薬だけでは十分な効果が得られない場合は、カルシウム括抗薬や利尿薬と併用することもあります。

副作用

ほかの降圧薬と比べて副作用は大変少きない薬ですが、まれにめまいや動機が起こることもあります。また、腎動脈に狭さく窄がある人では、腎機能が急速に低下することがあります。高カリウム血症がある人や妊娠中の人では使用が禁止されています。

ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬

高血圧の合併症がある人にも使える

特徴

血圧を調節するレニンアンジオテンシン系では、アンジオテンシン変換酵素(ACE)と呼ばれル酵素が働きかけてアンジオテンシン(A)がアンジオテンシンⅡ(AⅡ)に作り変えられます。血圧を上げるのはAⅡで、AⅠには血圧を上げる作用はありません。そこで、ACEに作用してAIからAⅡが作り出されないように邪魔をするのがACE阻害薬です。ACE阻害薬は、血圧を下げる以外にも、心臓や血管系の肥厚を改善したり、動脈硬化の促進を防ぐ作用もあります。また、糖尿病や高脂血症に悪影響を与えず、インスリン抵抗性を改善する効果もあります。そのため、高血圧の程度に関係なく広く用いられています。

副作用

代表的な副作用には空ぜきがあります。また、ごくまれに血管性の浮腫が起こることがあり、それが気道に生じると息苦しくなることもあります。ACE阻害薬はAⅡ受容体括抗薬と同じような効果がありますが、副作用があるため、最近では徐々に使用が減少している傾向があります。なお、AⅡ受容体括抗薬と同様に、妊婦や両側の腎動脈狭窄症がある人は使用できません。

利尿薬

体内のナトリウムを排泄し、ほかの薬と併用することが多い

特徴

以前から広く使われてきた降圧薬のⅠつです。作用が穏やかで安心して使え、ほかの降圧薬に比べて安いというメリットもあります。最近では単独で使うよりも、ほかの降圧薬と併用して4分の1~2分の1錠の少量を使うケースが多くなっています。高血圧は食塩のとりすぎと深く関係しています。利尿薬は尿の量を増やし、腎臓に働きかけて体内の余分な水分とナトリウムを排泄する作用があります。利尿薬で降庄薬として使用されているものには「サイアザイド系利尿薬」「サイアザイド類似薬」「ループ利尿薬」「K保持性利尿薬」があり、それぞれに腎臓で働きかける部位やメカニズムが異なります。基本的な作用は同じですが、作用の強さや副作用に違いがあり、病状によって使い分けられます。

副作用

利尿薬は1日1回少量を服用するタイプが主流なので、副作用はそんなに強くはありません。主な副作用には脱水があり、めまいやふらつきが起こったときはすぐに医師に相談してください。また、代謝系に悪影響を及ぼして、低カリウム血症、高尿酸血症、糖尿病、高脂血症などを起こしたり、すでに病気がある人では悪化させることがあります。

β遮断薬

伝統的な薬で心筋梗塞のリスクも減らす

特徴

高血圧の治療では、利尿薬とともに幅広く使われてきた薬です。血圧を上昇させる交感神経の働きを抑制する「交感神経抑制薬」の1つで、ゆるやかに血圧を下げます。また、長期間使用しても効きめが落ちないという特徴もあります。交感神経はαとβ という2 つの受容体を介して作用します。β は心臓の拍動を増やして血圧を上げるので、β遮断薬はβ受容体に作用して、の働きを防ぎます。心臓のポンプカ漣押えることで、心拍出量を低下させて血圧を下げる薬です。β遮断薬は心臓にあるβ受容体に作用
するものと、心臓外にあるβ受容体に作用するタイプの2つに分けられます。心臓外にあるβ受容体に作用するタイプは、血管に作用して副作用を起こすことがあるため、最近では心臓のβ受容体に作用するタイプが広く使われています。虚血性心疾患の予防にもなり、心筋梗塞を起こした人や、心臓の働きが活発な比較的若い人に使われることが多くあります。

副作用

徐脈や気管支ぜんそくが起こったり、肺の病気のある人では病気を悪化させることがあります。また、だるさや運動能力の低下や、手足の冷えが起こつたり、糖尿病でインスリンを使用している人では低血糖になることもあります。β遮断薬はカルシウム括抗薬と同様に、薬を急にやめるとリバウンドが起こることがあるので注意しなければなりません。

α遮断薬

ストレスによる高血圧を改善

特徴

α遮断薬はβ遮断薬と同様に「交感神経抑制薬」の1つです。血圧を上げるように働く交感神経のうち、α作用の働きをブロックします。
α作用とは、血管でα受容体が血管の収縮を強めて血圧を上昇させる働きで、この受容体が作動しないようにブロックするのがα遮断薬です。α作用の仕組みを断ち切ることで、末梢血管が拡張して血圧を下げます。α受容体には、交感神経と筋肉の接合部にあるα1受容体と、交感神経の末端にあるα2受容体があります。現在使用されているα遮断薬は、α1 受容体だけに作用して血管を拡張させるので、副作用を少なく抑えることができます。α遮断薬は、ストレスなど、交感神経の働きが過剰になることによって血圧が高くなっている人に向くとされています。
また、早朝に交感神経が活発になって急激に血圧が上がる「早朝高血圧」の人にもα遮断薬が処方されることが多くあります。糖や脂質の代謝にも改善効果があるので、糖尿病や高脂血症などの予防効果も期待されています。

副作用

使い始めに、血圧が下がりすぎて「起立性低血圧」を起こすことがあります。そのため、最初は少量から使い始めます。急に立ち上がったときなどに立ちくらみやめまいがしたときは、必ず医師に相談するようにしてください。車の運転をしたり、危険を伴う作業をする職業の人には不向きです。

こちらのサイトでは実際に使われる薬名も紹介されています。