高血圧は自分でコントロールできる

生活習慣を見直して原因となっている要因を取り除く

高血圧の90%以上は生活習慣と深くかかわっている本態性高血圧によるものです。血圧を下げるためには、血圧を上昇させている原因となる生活習慣を見直して、1つでも多く改善していかなければなりません。

血圧を上げる生活習慣を変えていく

高血圧の大部分を占める本態性高血圧は、遺伝的な要素と日常生活でのさまざまな習慣が複雑にからみ合って起こります。そのため、血圧を下げるには、まず血圧を上げる要因となっている生活習慣を1つでも多く取り除くことが基本となります。
生活習慣を改善するだけでも、血圧を下げる効果があることがわかっています。軽症の人であれば、薬を使用せずに血圧を下げることができます。
また、その後も適正な血圧を維持することが可能です。降庄薬(血圧を下げる薬)を使用しなければいけない重症の人でも、薬の服用と同時に生活習慣の改善を行わなければ、治療をうまく進めていくことはできません。高血圧の人は、環境的な素因の多くを占める生活習慣の改善を抜きにして、血圧を下げる十分な効果は期待できないのです。そのためには、まず自分の生活習慣の問題点を知る必要があります。

収縮期血圧が2mmhg下がるだけで心臓血管のリスクを減らすことができる

血圧を上げる生活習慣からの要因には塩分の多い食事、エネルギーのとりすぎ、アルコールのとりすぎ、運動不足、喫煙の習慣、ストレスなどが考えられます。高血圧の治療の目的は、血圧を下げることそのものではなく、高血圧が招く動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中を防ぐことです。高血圧の人は、血圧をわずか1~2mmhg低下させるだけでも、心血管病の発症に大きな差が出るとされています。
専門家の間では、収縮期血圧が2mmghg低下すると、脳卒中が起こる人は2万人程度減少し、死亡者は9000人滅ることが期待できるとしています。自分の生活習慣を見直して改善していくことが、心血管病の危険性を少しでも減らすことにつながるのです。

効果をすぐに出そうと思うとストレスになる

日本人はせっかちな人が多く、すぐに効果が出ないと諦めてしまう人も少なくありません。血圧は時間をかけてゆっくり下げていくのが基本です。血圧コントロールは一生のつき合いと思って、気長に生活習慣の改善に努めましょう。

生活習慣の改善は糖尿病、高脂血症の改善にもつながる

高血圧だけでなく糖尿病や高脂血症など、ほかの生活習慣も併せ持つ人は、環境因子を取り除くことでほかの病気も同時に改善させることができます。
たくさんの病気を持っている人でも軽いうちであれば生活習慣の改善だけで病気の治療もそれほど難しくはないのです。

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