血圧が変動する要因の中で、特に重要なものlま、心臓から送り出される血液の量(心拍出量) と末梢血管の抵抗性(末梢血管抵抗) です。このほかの要因には、血液の粘りの程度や血管の弾力性、体内を循環する血液の量などがあります。
心拍出量と末梢血管抵抗で血圧ははぽ決まる
ホースに水道から水を流すとき、水量が多いと高い水圧がかかってホースはピンと張りつめます。
たとえ水量が少なくても、どこか途中でホースを押さえれば、水が流れにくくなる分、押さえた後ろの部分はやはり張りつめた状態になります。これと同じように血圧も、「心拍出量」と「末梢血管抵抗」でほぼ決まります。
心拍出量とは、心臓が1回に収縮して押し出される血液の量のことです。収縮する力が強ければ押し出される血液も多くなるため、血圧が高くなります。
末梢血管抵抗とは、末梢の血管に血液*が流れ込んだときに受ける抵抗です。末梢の毛細血管が収縮すると、血液の通り道が細くなって血圧が上昇します。寒いところで身が縮こまるような感じがするときは、末梢血管が収縮して、その抵抗で血圧が上がっているのです。逆に、暖かいところでリラックスしているときは、心拍出量も末梢血管抵抗も低下するので、血圧も低めになっています。低血圧の人がお風呂で血圧が下がってめまいがするのは、心拍出量も末梢血管抵抗も低下しているためです。
循環血液量や動脈の弾力性も関係する
心拍出量と末梢血管抵抗以外に、血圧を決めるものには「血管の弾力性」「循環血液量」「血液の粘度」があります。
もともと動脈はゴムのように弾力に富んでいますが、弾力性を失って硬くなると、強い力で血液を流さなければならないので血圧は高くなります。
また、けがなどで多量に出血すると、体内を循環している血液の量(循環血液量)が減り、血圧は下がります。血液の粘り気を示す血液の粘桐度が増すと、末梢血管のように細い血管に血液が通りにくくなり、末梢の抵抗が増して血圧が上昇します。
寒さやストレスも血圧の上昇原因になる
末梢の毛細血管の抵抗が大きくなる原因には、寒さやストレスによるものが多くあります。末梢血管の抵抗が大きくなると、高い圧力をかけて血液の量を確保しようとするため、収縮期血圧も拡張期血圧も両方高くなります。
高齢になると血圧は上昇しやすい
高齢になると、誰でも動脈の弾力性が低下します。すると、収縮期血圧だけが上がりやすくなります。また、収縮期血圧だけが高くなる場合は、心拍出量の増加が関係していることもあり、心臓病やバセドー病の人に見られる症状です。