高血圧は自分でコントロールできる

高血圧による血管障害(脳血管障害)

日本人の死因のなかで、最も高血圧が関係するのが脳血管障害。脳血管障害を起こすと、死に至らなくても重い後遺症を残すことが多く、予防には血圧のコントロールが最も重要とされています。

高血圧で脳の血管が詰まる

高血圧が引き起こす最も怖い合併症の1つが脳血管障害(脳卒中)です。
脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破れたりすることで起こる痛気の総称で、脳の細胞に酸素や栄養が行き渡らなくなって死に至ったり、重い後遺症を残すことがあります。
脳血管障害による死亡者は減少していますが、それでも、まだ日本人の死因の第3位を占めています。
脳卒中の最大の危険因子は高血圧です。収縮期血圧が10mmHg上昇すれば、脳卒中を発症したり死亡する率は、男性では約20% 、女性では約15% 高くなるとされています。そして、その割合は血圧が上がれば上がるほど高くなります。

高血圧と関係が深いラクナ梗塞と脳出血

脳卒中には大きく分けて、血管が詰まって起こるタイプ(虚血性)と、血管が破れて起こるタイプ(出血性)に分けられます。血管が詰まるタイプを「脳梗塞」と言い、脳卒中の7~8割を占めます。
脳梗塞はさらに、動脈硬化のある場所が詰まる「脳血栓」と、主に心臓にできた血栓(血の塊)が血流で脳に運ばれて詰まる「脳塞栓」に分けられます。脳梗塞で高血圧と関連が深いのが、日本人の脳卒中では最も多い「ラクナ梗塞」です。
ラクナ梗塞は脳の細い血管が詰まるので症状は比較的軽いのですが、再発を繰り返したり、気づかないうちに多発しているケースもあります。
すると、まひや言語障害などの後遺症を残したり、認知症を引き起こします。
また、最近増加傾向にある「アテローム血栓性梗塞」は、脳に血液を運ぶ太い動脈が詰まる病気です。主な原因は動脈硬化で、その下地には高血圧があります。

脳出血の大部分が高血圧による

突然強い発作を起こして死に至ることもある出血性の脳卒中には、脳出血やクモ膜下出血があります。特に脳出血は高血圧と深いかかわりがあり、85~90%は高血圧が引き金になって起こります。

無症候性血管障害はいずれ大きな発作を起こす可能性が高い

脳の血管に起こった障害が小さいと、症状が現れないことがあります。これを「無症候性脳血管障害」と言い、放置しておくと、その後に大きな発作を起こしたり、小さな発作が多発することがあり大変危険です。 脳ドックで見つかった場合、専門医で必ず治療を受けるようにしてください。

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