高血圧は自分でコントロールできる

高血圧以外の病気がある場合の合併症はそちらも考慮される

高血圧だけでなく、ほかの生活習慣病を併せ持つメタポリックシンドロームの人も少なくありません。合併症がある人では、それぞれの病気が考慮された治療薬が使われます。

それぞれの病気を考慮した治療薬が選択される

以下のような合併症がある場合には、それぞれの病気や薬の飲み合わせを考慮した降圧薬が選ばれます。

糖尿病や高脂血症がある場合

降圧薬、糖尿病薬、高脂血症薬のいずれか2~3種類を服用している人は男性16.7% 、女性23.9% です。糖尿病や高脂血症を合併している人の場合は、インスリン抵抗性を改善する働きもあるカルシウム括抗薬や、ACE阻害薬、α遮断薬がよく使われます。
一方、糖尿病のある人は、糖尿病治療薬の効果を強めてしまって低血糖を起こすことのあるβ遮断薬には注意を要します。また、β遮断薬は高脂血症がある人では中性脂肪を増やすよう作用します。利尿薬はインスリン抵抗性を強めることもあるため、使う場合は少量に限って用いられます。

心臓病がある場合

心肥大がある人や、狭心症や心筋梗塞を起こしたことがある人は、交感神経の働きを抑えるβ遮断薬が有効です。また、昇圧作用を抑制するACE阻害薬も使われます。

腎臓病がある場合

血管を拡張させる作用を持つカルシウム括抗薬や、ACE阻害薬がよく使用されます。腎臓の障害が進んで尿を作る機能が低下した場合は、利尿薬が用いられることもあります。

漢方薬はどの薬でも併用に注意する

さまざまな病気で漢方薬を服用している、あるいはこれから服用を考えているときは必ず医師や薬剤師に相談し、了解を得てから飲むのが原則です。
漢方薬の多くには、甘草(カンゾウ)という生薬が入っています。甘草にはほかの薬物の効能を高める働きがありますが、カリウムの排泄を促進する作用もあります。これらの薬を病院で処方された降圧薬と併用すると、低カリウム血症を起こすことがあります。甘草は、漢方薬だけでなく市販の口中清涼剤などにも含まれているので、注意が必要です。

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