エネルギー摂取を控えバランスのとれた食事

現代人の食生活は、主食となる炭水化物の摂取量が減る一方で、脂質の摂取量が反比例するように増えています。体に必要な3大栄養素である糖質(炭水化物)、たんぱく質、脂肪をバランスよく摂取するようにしましょう。

現代人は脂質が過剰

食事のエネルギーに占める栄養素の割合は炭水化物60% 、たんばく質15~20% 、脂質20~25% が適切とされています。
一方で、現代人が脂質をとる割合は戦後から急上昇し、現在では平均で25% を超えています。そして、それが肥満を引き起こす大きな原因にもなっています。
脂質は1g で9Kcalと大変高いエネルギーを持っています。炭水化物やたんばく質が約4kcalであるのに比べると、2倍以上のエネルギーになります。
特に肉や卵、*乳製品などに多く含まれる飽和脂肪酸のとりすぎは、内臓脂肪をたっぷり蓄えることにつながります。しかし、肉や卵、乳製品には良質のたんばく質、ビタミンやミネラルなども含まれています。また、飽和脂肪酸を全くとらないのもよくありません。要は食べすぎることと偏った食品のとり方が問題なのです。現代人は、とにもかくにも食べ過ぎ傾向です。

肉より魚、高脂肪よりも低脂肪を習慣化する

飽和脂肪酸のとりすぎを防ぐには、主食の肉類を減らして、不飽和脂肪酸を多く含む魚を増やすようにしましょう。肉を食べるときは、脂身の少ない赤身を選んだり、食べる量を減らすことが大切です。
調理をする際も、「揚げる」よりも、「フライパンで焼く、網焼きにする、蒸す、ゆでる」という調理法の順で、より多くのエネルギーカットが可能です。
また、乳製品は大切なカルシウム源ですが、とりすぎると内臓脂肪を増やします。普通牛乳の脂肪分は約3.5% で、その約7割が飽和脂肪酸です。牛乳は低脂肪牛乳を、チーズはプロセスチーズやカッテージチーズを選ぶようにして、脂肪を減らしながらも上手にカルシウムをとるようにしましょう。また、現代人の摂取が少なく問題視されているカルシウムを乳製品で摂るのではなく小魚などで摂るようにするといいでしょう。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とは

脂質のほとんどは脂肪酸をベースにしています。脂肪酸には大きく分けて「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」があります。飽和脂肪酸は肉などに多く含まれ、体内でコレステロールの合成を高め、血中コレステロール値を上げる作用があります。逆に不飽和脂肪酸には血中コレステロール値を下げる作用があります。

魚の脂には脂肪を蓄積させにくい働きがある

魚の脂には、不飽和脂肪酸の中でも「n3系多価不飽和脂肪酸」という成分が含まれています。n3系多価不飽和脂肪酸は体内に脂肪を蓄積させにくい働きを持ち、血液中の中性脂肪値や血糖値を下げる作用もあります。特に背の青いいわしやあじ、さばなどに多く含まれています。青魚にはほかにも血栓予防に重要なEPAやDHAが多く含まれます。現代人は積極的に摂取すべき栄養です。

肉頬100g 当たりに含まれる脂質


食品名
脂質 kcal
和牛ばら脂身付き
50.0g 517
和牛サーロイン脂身付き
47.5 498
ドライソーセージ
43.0 497
ベーコン
39.1 405
豚(中型肉種)ロース脂身付き
22.6 291

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