高血圧はそのほかの血管障害やさまざまな病気の原因になる

高血圧が原因で起こる血管障害は主に脳、心臓、腎臓に起こりますが、モれ以外にも動脈硬化の影響は全身の血管に及びます。また、ほかの病気を伴うと、お互いがお互いの病気に悪影響を及ぼしてしまい高血圧がさらに悪化します。

糖尿病

高血圧は糖尿病になりやすい

高血圧が直接原因となる病気ではありませんが、高血圧の人は血圧が正常な人
に比べて2~3倍糖尿病になりやすいとされています。また、日本では糖尿病がある人の半分は高血圧とされ、どちらかの病気があると、両方を合併しやすいという特徴があります。
糖尿病とは膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの分泌が悪くなつたり、効き目が悪くなって、血液中のブドウ糖(血糖)が多くなる病気です。
日本人では予備軍も含めると、1400万人近くの人が糖尿病であるとされています。高血圧と糖尿病がなぜ合併しやすいかははわかっていませんが、「インスリン抵抗性」が両方の病気に関係しているのではないかとされています。

インスリンの働き

食事でとったブドウ糖は、膵臓から分泌されるインスリンによつて、筋肉や肝臓などに取り込まれ、エネルギーとして使用されますが、余ったブドウ糖は脂肪として蓄えられます。このインスリンの働きが悪くなる状態を「インスリン抵抗性」と言います。

閉塞性動脈硬化症

足の動脈硬化で歩行困難になるケースも

下肢の動脈硬化が進んで血管の内腔が狭くなったり、詰まる状態を「閉塞性動脈硬化症」と言います。血液の循環が悪くなるために、少し歩いただけでも太ももやふくらはぎが痛くなって歩けなくなる「間欠性政行」が起こります。しばらく休むと歩けますが、また痛くなって歩けなくなることを繰り返します。ひどくなると足の細胞組織が壊死して、足を切断しなくてはならなくなることもあります。

眼底出血

目の動脈硬化

高血圧から目の網膜の毛細血管に動脈硬化が進むと、「高血圧性網膜症」が起こることがあります。
高血圧性網膜症では、自覚症状はほとんどありません。急激に血圧が上がる急性高血圧では、視力が低下することがありますが、本態性高血圧からの網膜症では症状が出る方がまれなので、気づきにくいのです。しかし、放置してそのまま進行すると、眼底出血が起こって視力が低下したり、失明につながることもあります。

大動脈瘤

破裂すると出血から致命的になることも

動脈硬化が進んで血流が悪くなると、心臓はより強い力で血液を送り出そうとして、その強い圧力が血管の弱い部分を膨らませます。
大動脈痛は胸部大動脈や腹部大動脈にできた「こぶ」のような膨らみです。初期には特に症状がなく、またほとんどは痛みがないため、大きくなって「こぶ」が触れるようになって初めてわかる場合がほとんどです。この大動脈痛が被裂すると多量に出血するため、その多くは致命的です。

脳血管性痴呆

多くが高血圧から脳梗塞が多発して起こる

認知症(痴呆)は、原因によってアルツハイマー型と脳血管性痴呆に分けられ、日本人の認知症では、約半数が脳血管性痴呆です。アルツハイマー型痴呆の原因はよくわかっていませんが、神経細胞が消失して脳が全体的に委縮します。
脳血管性痴呆は、脳の血管に生じた動脈硬化が原因で起こります。その多くを占めるのが多発性の脳梗塞です。脳の細い血管に梗塞巣(脳細胞が死滅した部分)が増えていくと、脳全体の活動が低下して痴呆が起こることがあります。
そして、この多発性の脳梗塞を引き起こす最も大きな危険因子が高血圧なのです。

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